いっしーはPIC

「海」ときどき「空」の話し(ピックじゃなくてピーアイシーです)

舫結び(もやいむすび)

 

 

今日は船の話です。

 

もやい結びに限った事ではありませんが、索(ロープ)を結ぶとき、結び方を知っているのと、上手に結べるのは、まったく異なります。

 

 

運送業なんかもそうなんでしょうが、こと船の世界では、漁師さんは上手に結ぶ方法をよく知っていて、さすがプロだなあと感心してしまう事が沢山あります。きょうはそのひとつをご紹介します。教科書にはなかなか載ってない話です。

 

舫い結びには、むこうもやいと、てまえもやいのふたつがあって、それぞれやり方が異なりますが、今日は手前舫の話をします。あちらを舫うのではなく、こちらを舫いたい時の方法です。

 

体育座りをして自分の右足をピットに見立てます。左側からロープを取り、右手で先端を持って、ふくらはぎの後ろを通します。次に左のロープを左手で取って剣道の竹刀ように顎の先にまっすぐ立てます。その縦のロープの上に、右手を添えたまま右のロープを十字架のように重ねます。右手で下にある左手が持ってきたロープを一緒に握って、左を向いている右手先を、下向きにぐるっと360度ターンします。水泳でいうドルフィンターンみたいに、手前にぐるっと。そうすると、目の前には、輪っかができているので、その輪に右手で最初に持ってきた先端を差し込みます。輪の上から入れて向こうにです。最後に、縦に伸びている左手で持っていたロープと、今差し込んだ短い先端を一緒に押さえたまま、輪の下右足にまとわっているロープをギュッと引きます。

 

書くと長いですが、覚えると2秒以下で出来ます。これが、上手にむすべるというヤツです。教科書通りにやっていたら、5秒も10秒も掛かってしまいます。

 

実際海上では、特に荒天時などは、もたもたできませんし、手元を見ながら結んでいては酔っ払ってしまいます。

 

 

今日はこのへんで、、、

UW・安全航海をお祈りします!