いっしーはPIC

「海」ときどき「空」の話し(ピックじゃなくてピーアイシーです)

クルーザー初心者が、簡単に安全に着岸する方法

 

 

今日は船の話です。

 

なんだか二極化を感じる世の中ですが、我が所属マリーナでも、いわゆる成金オーナーさん?が、いきなりデカイ船を手に入れて、着岸でわちゃわちゃしている(笑)のを見掛けます。

 

多くの初心者が間違えているのが、勢いで着岸させようとして、斜めに高速で進入し、バックギアで急停止させ、風下に流されないうちに急いでもやいをとるというやり方です。これは大間違いで、無理がありそして危険です。隣船にもぶつけやすい着岸と言えます。我がマリーナでも、これで他の船にぶつけたり、急いで桟橋に飛び移ろうとして海に落ちるなど、何度も見てきています。かつて私もそうでした。

 

実はある方法を知ると、どんなに強風でも着岸が怖くなくなります。今日はその「実は着岸は難しくない」というお話をさせて戴きます。先んじて言うとコツは5つです。

 

・ボートフックを用意、最大限に伸ばしておく。

フェンダーを付ける。なるべくたくさん。

・風をちゃんと読んでから着岸する。オンショアかオフショアか。

・桟橋と並行にまっすぐ進入する。ゆっくり進入する。

・一発で着けようとしない。何度でもやりなおせばいい。

 

隣に船が並んでいるマリーナ基準で話しを続けます。オンショアは同様の方法でいとも簡単に桟橋に一発着岸できますので、以下では、誰もが難しいと感じるオフショアの場合についての話をします。結論をヒトコトでいうと次の通りです。

 

 

オンショア(桟橋に自船が寄せられる風)の時は、桟橋に着ければよいが、オフショア(桟橋から自船が離される風)の時は、無理に桟橋に着けようとせずに、隣船に着船させる。

 

 

では、秘技を具体的にお伝えしましょう。

 

1)まず、風を読みます。桟橋に船が寄せられる方向(オンショア)に風が吹いているのか、桟橋から船が離される方向(オフショア)に風が吹いているのかを把握します。入港前に微速で前進しながら、風の方向を肌で感じて把握します。「マリーナ内微速航行」はマナーやルールなだけではなく、こういった理由もあるんです。

 

2)次に、風下側にフェンダーを出します。船が平行で並んでいるマリーナでは隣船側です。なるべく多くが良いです。これにより風下の隣船にぶつけてもショックが吸収されるからです(なおオンショアであっても隣の船側には必ずフェンダーを出しましょう。風向きが変わった時の為です。つまりオンショアであってもオフショアであっても、隣船側には必ずフェンダーを出すと良いでしょう。私は常にそうしています)。

 

ここからが大切なポイントです。

 

3)桟橋から離される方向に風が吹いている訳ですから、無理して桟橋に着けようとせずに、風下側(隣船)にゆっくりと近づけばいいのです(もちろんフェンダーを大量につけた状態で)。ゆっくりです。隣船と並行に、まっすぐ進入して下さい。斜め進入は厳禁です。エンジンはちょっとづつ「入れては抜く」を繰り返します。そして、隣船にそっと着船させ、エンジンをニュートラルにします。これによって、風上側の桟橋から離れた状態で、風下側にある隣の船にぴったりとくっついた状態で自船が安定します。風下に押されっぱなしの風が吹いていますので、隣船にくっついて離れません。

 

4)このあと、ゆっくりと落ち着いて、ボートフックを使って、桟橋にもやってある策(ロープ)をとって、それを手で手繰り寄せれば、最終的に桟橋に着岸できます。

 

以上が熟練者は皆が知っている「強風でも着岸は難しくない」という方法です。「ボートフック」と「フェンダー」はこの為にあるのですが、このふたつを使わない船長さんが多い事多い事、、、ボートフックとフェンダーは必ず用意しましょう。フェンダーは最低でも4つ。ボートフックはテレスコピック型の長く伸ばせる物がお勧めです。そして舫索は出航前に桟橋側に舫っておきましょう。

   

今日はこのへんで、、、

UW・安全航海をお祈りします!